未知の世界

あれから私は、








自分の耳に入ってきた言葉が、







佐藤先生の口から発せられていることを、







理解できなかった。






私の生い立ち。
  











夢で見た光景は、現実に起きていた。









私の両親は、私が幼い頃に死んでいた。






その時の記憶がないのは、





両親が、突然、自分のそばからいなくなったことのショックにより、記憶がないそうだ。






両親がいなくなってから、私の父と仲の良かった佐藤先生のお父さんが、私を養女として引き取ったそうだ。





しかし、私に多額の遺産を残したことを知った親戚により、養女は取り消され、私はその親戚に預けられた。





親戚は、自分たちに遺産を受けとる資格がないことを知り、私を育児放棄し、私は、施設にいれられたのだ。








佐藤先生のお父さんは、ずっと私が気になっていたそうだが、養女を取り消された以上、私に関わらないようにと、親戚に釘を刺されていたことから、親戚に預けてからのことは知らなかったそうだ。





しかし、今回私が入院することになり、さらに施設のことで警察沙汰となり、警察や施設の関係者から私の入園理由が判明したことや、私の顔を見覚えのあったことから、佐藤先生は、私が入院した数日後には、私がかつて佐藤家の養女に入っていた子であると知ったそうだ。





私は覚えてないが、私が親戚に預けられる日、佐藤先生は、私に





「いつか一緒に暮らそう。」





と言ったそうだ。






私はその言葉を聞いて、嬉しそうに笑っていたという。






               


私は、








全く覚えていない。






そして佐藤先生の話の最後に言われた言葉。






「退院後は、新しい施設ではなく、俺がお前の引き受け人となる。」






と、いうことは、、、







佐藤先生の家で暮らすということ?






私の頭はハテナでいっぱいだった。





もう数ヶ月で、私は施設を卒業し、自立して生きていかなければならなかった。





いつかした約束のために、佐藤先生は、自分が私を引き受けると言うが、私にはそんな約束した覚えはない。






私の返事を待たずとして、佐藤先生は部屋を後にした。






この入院してからの数ヶ月、これまでの私には、想像のできなかったことが起きていた。






これから、私はどうなるの?



















未知の世界はこれから始まる。










次回作に、、、続く
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