君色に染まれ
恋は素晴らしい時間を与えるけど、恋の終わりは切な過ぎる。
祐希奈は傷心していた。

バイトはあと5日。坂巻と顔を合わせるのも5日間だけになった。

もう私のこと嫌いになったんだから、元の先輩後輩に戻れば良いんだ。

でも時折坂巻の笑顔を思い浮かべた。
手を繋いで歩いた帰り道、キスはしなかったけど、心は暖かかった。

祐希奈は坂巻との思い出に浸っていた。

いよいよ バイト最終日

ビアガーデンにもだいぶ慣れた。

美月が声を掛けてきた。
「祐希奈 最後も気合い入れて頑張ろうね!」

うん。頑張ろう!

坂巻が現れた。祐希奈の方は見ず、新人全員に声を掛けた。
「皆さん お疲れ様です。今日がビアガーデン最終日です。悔いのないよう最後まで集中して参りましょう。よろしくお願いします!」

ビアガーデンが始まった。
忙しく祐希奈は動き回った。

明日からはもう坂巻さんとは会えない。もう会えない。話せないんだ。

祐希奈は急に寂しくなってきた。

ビアガーデンが終わった。

お疲れ様でした。

達成感が体を覆った。

いよいよ 坂巻とお別れ。

坂巻先輩ご指導ありがとうございました。お疲れ様でした。
「新垣さん 安田さんお疲れ様 この1ヶ月間よく頑張りましたね」

祐希奈は坂巻の言葉を噛み締めた。

もう会えないんだ。
坂巻さんとお別れだ。でも坂巻さん 君に出会えて良かった。
ほんとに君に出会えて良かった。

この夏を忘れない。
さようなら。

もう泣かない。笑顔で君を送ろう。

ありがとう 坂巻さん恋をありがとう。

君に出会えて良かった。
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