君色に染まれ
うーん なかなか良いバイトないな。

あ、美月から着信だ!

ハローハロー

「祐希奈 夏休みの予定は?」

今のところナッシング。

「じゃあ私とバイトせん?南堀町のビアガーデンなんやけど時給も良いし、一緒にやろうや。」

ビアガーデンかぁ。なんか面白そうやね。

祐希奈は心踊った。
美月とは小学校から一緒だから、すごく仲良し。
一緒にバイトするのも安心やけん。お母さんも説得しやすいね。

「新垣 祐希奈さんは高校1年生?」
はい。
祐希奈は初めての面接に緊張していた。
「ビアガーデンのホールなんですが、やれそうですか?お友達の安田美月さんも一緒ですから、まあ安心してやって下さいね」

はい!頑張ります!
祐希奈は支配人に笑顔を見せ、バイトという新しい世界に心踊らせた。


「祐希奈 ビアガーデンだって?お父さんから聞いたけど大丈夫かいね?」
母は心配そうに娘に聞いた。

大丈夫や。美月も一緒やし南堀町は野外学習で行ったことあるけんね。

祐希奈は一滴も不安を見せず母を説得した。


「おはようございます!支配人の早田梅太郎です。皆さんにはここ南堀町ビアガーデンを一緒に盛り上げてもらいたい思てます。わからないことは先輩スタッフや私に聞いておくんなし。」
支配人はチョーネクタイ姿を誇らしげに新人スタッフをもり立てた。


「新垣 祐希奈さんだね。私はホールリーダーの坂巻真吾。よろしくね。」

祐希奈は少し照れながら坂巻をしっかり見つめた。

はい。よろしくお願いします。

坂巻は早速ホールの仕事を新人スタッフに教え始めた。

「はい、まずは笑顔 そして 声 。接客業では印象が大事です。安田美月さん!わかりましたか?」

「はい 笑顔が大事なんですね。わかりました。」

その後も坂巻の指導は続いた。
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