タカラモノ~小さな恋物語~
1*恋焦がれているキモチ。
この間まで紅葉が綺麗に色づいていたと思えば、あっという間に寒くなっていた。
何だかんだで今年もあと1ヶ月。
「いらっしゃいませー。」
最近はプレゼント包装がやたらと多い。
やっぱりクリスマスが近いからだろうか。
鈴音さんも、12月はお客さんのかきいれ時だから頑張ろうね!って言ってたっけ。
まだまだこれから増えるんだろうな、なんてぼんやり思っていたらレジにお客さんが並んだ。
「ありがとうございます。」
「これ、プレゼント用にお願いしたいんですけど…。」
「はい、かしこまりました。少々お時間いただきますがよろしかったですか?」
お客さんが笑顔でうなずくのを確認すると、応援のチャイムを鳴らした。
こちらに小走りでケンがやってくる。
「プレゼント包装お願い。」
「あいよー」
いつの間にかレジにお客様の列が出来ている。
わ、こんなに店内にお客さんいたんだ…と思いながら「大変お待たせいたしました。」と笑顔で再びレジへとりかかった。