タカラモノ~小さな恋物語~
「そうだな、友達……
いい同僚、友達としてな。」
ケンは柔らかく笑った。
「それに、ももてぃは俺がいなかったら、悲しくなっちゃって何にも手付けられねぇもんな。」
「なっ、そんなことないもん。」
「意地張んなって。しょうがねぇから側にいてやるよ。」
ケンはそう言って私の髪をワシャワシャと触った。
「ちょ、もう…!」
やっぱりケンと笑って、馬鹿やって、真剣に仕事して、本当に楽しい。
素直に自分の気持ち、話せて良かった。
「いらっしゃいませ、こんばんは〜」
「お電話ありがとうございます。シュクレメゾン◯◯店、相川と申します。」
「ありがとうございました、またお越しくださいませ〜」
私とケンの声が店内で響き渡る。
さぁ、今日もあと少し。
私は再び気合いを入れ直して、残りの仕事に取り掛かった。