タカラモノ~小さな恋物語~
3*この違和感は何でしょう。
「んー、もう鼻が壊れる…。ちはる、どうしよう?」
ある日の休日。
「飛鳥が自分で決めなきゃダメだよ。」
私はちはるとショッピングデートをしていた。
そして、今いるここは、男性の香水が売っているお店。
「ケンに合うやつかぁ、なんかこれもイマイチ。」
「爽やかな感じがいいよね~」
もうすぐ―――2月15日は、ケンの誕生日。
クリスマスプレゼントのお礼と誕生日プレゼントを兼ねて、何か渡そうと思ったのだ。
ちなみに、前日のバレンタインには、しょうがないから義理チョコを渡そうかな、と。
この間、「もちろん、ももてぃチョコくれるよね?」なんてケンにプレッシャーかけられちゃったし。
「やっぱり無難だけど、シトラスの香調がいいなぁ。好き嫌いもなさそうだし、ケンにも合ってる。」
私は、いくつかあるシトラスの香調の香水の中から、お手頃な値段の香水をチョイスした。
「あ、いい感じ。私、翔にはこれにしたよ。フローラル、甘い香り好きだからさ。」
ちはるは翔くんに、バレンタインに香水も一緒にプレゼントするらしい。
相変わらずラブラブな二人が微笑ましい。
「お腹空いたね、映画まで時間あるし、ご飯食べよっか。」
「そだね~私、ハンバーガー食べたい。」
「あ、いいね、私も食べたい。」
ショッピングモール内にあるフードコートで、食事をすることにした。