タカラモノ~小さな恋物語~
「それって、健吾くんが大事ってことじゃない?」
「うん、大事な存在。弟として…」
「んもぉ、違うよ!一人の男性として!飛鳥きっと健吾くんのこと好きなんだよ!」
「え??」
好き…?
私がケンのこと好きなの…?
「好きって…あの恋愛感情の好き?」
「それ以外何があるのよ。」
半分呆れたようにちはるは笑った。
「……。」
いや…
いやいやいやいやいや。
それは無いでしょ。
あの恋愛感情の好きでしょ?
「それだけは、絶対に無い。」
「なんでよぉ、そんなのそう思い込んでいるからじゃないの?自分に素直になって、考えてみなよ。」
「私はいつでも素直です〜!」
ちはるったら、毎度毎度変な冗談はやめてほしい。
「でも店長さんのこと、好きじゃなくなったんでしょ?」
「いや、うーん…好きじゃなくなったというか、難しいな。ただキュンってあんまりしないような、するような…」
「えー、何ソレ。」
いや、分からない。
うーん…恋愛は難しい。
「まぁ、もともと、飛鳥の場合、憧れみたいな気持ちもあったからだよね。100%恋愛感情の好きじゃないもんね。
だから、ただ、憧れている人になっただけじゃない?
仕事の面でも、男性としての面でも。」
「なるほど…さすがちはる様です。」
自分のことなのに、私よりちはるの方が分析出来ている。