美女と獅龍
「あの子の正体は⁇
ごく普通の女子高生とは思えないんだが。」
やっぱ、お父さんはそういうことに鋭いよね。
「あの子が氷姫だよ。
俺が腹 やられた、氷姫。」
「だろうと思った。
氷姫として活動している、っていう点で行くと あの子にも非があるような気もするんだが……」
「それもそうかもしれないけど、ちゃんとそのことを把握できていれば、こんなことにはならなかった。
完全に俺のミスだ……」
今にも目から零れ落ちそうな涙を我慢する。
今、本当に泣きたいのは瑞姫さんであって、俺ではない。
俺は何も傷ついてなんかいない。
それでも……そうは思っていても、涙がだんだん目に溜まっていく。