美女と獅龍
躊躇いもなく、蓮君は校長室の扉を開けて、中に入っていく。
ノックとかも、何もなしで。
「蓮君、勝手に入っていいの⁇」
「ここ、俺の部屋だから。」
そう言って、蓮君は入っていく。
そう言えば、蓮君って この学校の校長だったっけ⁇
蓮君が部屋の中にはいったから便乗して 俺も中に入ったけど、入った瞬間 何だろう……すごく睨まれてる気がした。
俺のことを睨んでる人、多分 背後に居るね。うーん、怖い怖い。
「ねぇ、蓮君。
俺の後ろにさぁ……」
「月波出てこい。」
ですよねー。透哉の殺気ですよねー……。
「い"だい"……い"っ……い"……千切れる、千切れる‼︎勘弁しでー……!!!」
右耳をスゴイ勢いで引っ張られる。
俺の右耳には、獅龍 副総長である証の龍をモチーフにされたイヤーカフ。
透哉は、俺が何かヤラカシしたら 必ず 俺の右耳を引っ張る。
"獅龍 副総長としての自覚を持て" ということらしい。
透哉の左耳には、獅子をモチーフにされたイヤーカフ。
獅龍 総長であることの証。
"月波 透哉" は俺たちの代の総長なんだ。