美女と獅龍
チャイムが鳴って、どうやらこれから お昼休みみたい。
周りは仲の良い人同士が集まって、ご飯を食べ始めている。
周りをなるべく見ないようにしながら、お弁当を机の上に広げて 1人でご飯を食べ始める。
……何段弁当なのよ、これ。作りすぎ‼︎
5段弁当とか、女子が食べるお昼ご飯の量じゃないし……。
でも、残して帰るのは 作った人に失礼だし、作った人が可哀想だから できるだけ頑張って食べることにした。
頑張って おかずを頬張っていると、誰かが私に近寄ってきた。
「すげー、それ何段あんの⁇」
「5段よ。」
わざわざ、聞かなくてもわかるでしょ⁇
顔を上げると さっき屋上にいた子が目の前に居た。
……って、学年 違うでしょう⁇
確か、1年生 って言っていた。
何の用があって、この教室まで来ているんだろう⁇
"やっと、顔 上げてくれた" と笑いながら、空席を持って来て 私の正面に座る。
「女の子1人で食べきれる量じゃないでしょ⁇俺に分けてよ、今日 お昼ご飯もお金も忘れちゃって……」
「いいわよ、1人じゃ 食べきれないもの。」
「やった、ありがとう。」
予備についていた割り箸を渡すと 手を合わせて 直ぐに食べ始めた。