美女と獅龍

「一晩考えさせて欲しい。」

ゆっくりじっくり、考えたい。

「一晩も要らないだろ‼︎」

……怒んないでよ。

「じゃあ、次 サボったら 自主休学します。」

「それ、お前にとってはメリットだろ。
次、今日みたいなマネしたら 一切の自由を禁じるからな⁇」

厳しすぎるでしょ、……そんなこと 口が裂けても言えないけど。

「分かった。」

一切の自由を禁じる、って 中学の時も一時期 あったよね。

放課後は家に直帰。
携帯はもちろん ウォークマンとか無くても生きていける私物電子機器類 没収、マンガ没収。
髪型とか、着る服とかまで全部 指示されたもの。

そんな、全てを拘束したところで 俺の態度はあんまり変わらなかったけど。

多分、今でも 変わらないと思う。

「じゃあ、それで行くからな⁇
早く 風呂入って、寝ろ。」

夜ご飯、食べ終わってから怒られていて、もう日付が変わりそうな頃。
お父さんと俺以外は風呂に入ってたらしい。

「あ、お父さん⁇……もし 平日の昼間に獅龍が抗争に巻き込まれたりして 援護に行く時はどうなる⁇」

「それは、許す。
でも 終わったら直ぐに学校に戻る、これが約束な。」

分かってもらえるお父さんで良かった。

「じゃあ、風呂入ってくる。」

正座していたから、立ち上がった。
……思ってたよりも足 痺れてたから まともに歩けないし、壁伝いに歩いて 風呂に向かう。

「さっさと上がれよ⁇」

「分かってる。」

その日は怒られ疲れたから、勉強時間はいつもより短めにしよ……。

風呂に入りながら、そう決めて 今日の授業の復習と明日の授業の予習をして 寝た。
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