美女と獅龍
「……雅さん、私 少しは頑張ってみようと思います。」
「急に何だよ、ってか何を⁇」
「苦手克服です、麗夜君をそれに利用するのは申し訳なく思いますが……」
「琴野なら、別に 許してくれそうだけどな。
アイツ、馬鹿みたいにお人好しだから。」
馬鹿みたいにお人好し、かぁ。
確かにそうかもしれない、っていうか 絶対にそうだと思う。
麗夜君、気遣いが凄いから。
「そう、かもしれませんね。
では、今日のところは失礼します。」
私は、家に帰った。いや、帰ろうとした。
でも、実際はそうではない。
だって、途中で 数人の人に囲まれて どう対処しようか悩んでいると 突然 頭から麻袋のようなものを被せられてしまったから。
そのまま 私は何者かに誘拐されてしまった。