美女と獅龍
ある日、鳳凰としての依頼で族の倉庫へ向かった時 そこには麗夜君がいた。
前に見た時とは随分様子が違った。
何度もなんども染め直され、くすんだ色になった髪。
伸びた髪は、伸び放題になっていて それを無理やり ワックスとかで整えたみたい。
目の下のクマは酷く、目には光が灯っていない。
肌もなんだか、青白く 表情もなかった。
例えが悪いけれど、死人のようだった。
ただ、顔についた返り血に違和感を感じたくらい。
「……麗夜君、だよね⁇」
「……久しぶりだね、瑞姫さん。
相変わらず、綺麗だね。」
「麗夜君は、変わってしまったのね。」
「……そりゃあ、そうだろうね。
生きている意味すらないように感じるよ。
俺がお父さんの会社を継ぐ話がなければ、直ぐにでも自殺をしていただろうね。
それくらいに、今の俺の世界は退屈で意味がない。」