excellent water
「俺が言う。」
大切なことだから、ちゃんと自分の口で言っておきたい。
「そうか……、お嬢様 かなり自分を責めておられると思うから、もう少し体調 良くなったら 無理しない程度に、お嬢様のところに行ってあげたら⁇
無理しない程度に、だよ。」
"無理しない程度に" って、2回言った。
「分かった。」
「着替えてから、行きなよ⁇
とりあえず、修羅 ジャージ着てるから。
流石に制服は、吐きまくってて 汚れてたし。」
そんなに吐いてたんだ。
「なんか、ごめん。
無駄な仕事、増やしたよね⁇」
「そんなこと気にするな。
修羅の身体が 何よりも大切だから。」
ありがとう、お父さん。
その言葉は、口から溢れることはなかった。
けれど、その気持ちは お父さんに伝わったんだと思う。
お父さんが俺の頭を撫でてくれたから……、俺は 独りじゃないんだ、って安心できた。