excellent water
執事の別離
馬鹿なことをしたと思う。
仕事だから……とか、勝手な理由をつけて お嬢様の命令は全て聞いていたけれど それによって失ったものは 俺の心の大部分を占めていた 瑞姫お嬢様への想いだ。
瑞姫お嬢様に嫌われた……ただその事実だけが 頭の中を回っている。
そして迎えた、4月最終日。
今日限りで、お嬢様は施設から居られなくなる。
今日は、瑞姫お嬢様とのお別れパーティーが開かれている。
今日しか、チャンスはない。
春乃お嬢様が 他のお嬢様と話しておられるスキに 私は 瑞姫お嬢様の方へと向かった。
「瑞姫お嬢様、お話があります……私のことを嫌っておられるのは 重々承知しております。