excellent water

「相野お嬢様、そろそろ 相野様が迎えに来られます。

エントランスに向かいましょう。」

オーナーが私たちのところに来て、そう言われた。

「嫌……嫌よ、行きたくない。」

お嬢様がそう言われるけれど、時間だから仕方ない。

私だって、まだ お嬢様と離れたくない。

「お嬢様、行きませんか⁇」

と尋ねてみるが、首を横に振られるだけ。

大体の方は、あっさり帰っていかれるのに 珍しい。

「お嬢様、行きましょう。」

お嬢様をお姫様抱っこにして、会場の中を少し歩くと、

「嫌、おろして。」
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