朋ちゃんと僕と、O中のみんな


僕は仰天した。

誰がそんなことを言っているんだ?と聞く。




コーズも驚いて「誰も何も、みんなそう思ってるよ。
いつも一緒に居るし、こないだだって二人っきりで
下校してたって...。」




誰が?そんなこと....




コーズは、こう言った。


駄菓子屋の青木や、タバコやのミヨコとか...



僕は、しまったな、と思った。


あの日の帰り道、迂闊だったけれど。

青木ん家や、ミヨコの家は店だったから
中から見えていた、のだろう....





その印象はともかく...


コーズが、朋ちゃんに気が無い、ってコトだけはよく判った。




で、僕は....



そのことを、そのまま伝えた。朋ちゃんに。


隠すのは苦手だったし、僕も幼かったのだ。






いつもの屋上、朋ちゃんは...


泣いた。


ずっと、ずっと、泣いていた。

僕は、ヤマハFG-122を椅子に立てかけたまま、
どうしてなぐさめたものだろう、と....

思案していたが、適当なコトバは浮かばなかった。









今でも、この時のことを思い出すと
なぜかこの「涙のハプニング」のメロディが聞こえてくる僕なのですが...(笑)

「涙のハプニング/エジソン・ライトハウス」


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