朋ちゃんと僕と、O中のみんな
でも...

僕は自問した。



....ほんとにそれだけかなぁ。


きっかけは悪友、こーいちのひとことだった。
僕はそれまで、同じクラスなのに、小学校から
ずっと同じ学校だったのに、意識した事がなかった朋ちゃんの事を

そんな、ふとしたきっかけで、気にするようになった。

そして、なぜか自然に仲良くなったのは
これも不思議な事で、音楽好きの連中が中心のグループが自然に出来て
そのメンバーに、僕と朋ちゃんがいた、と言う
これも、殊更僕の意思じゃなかった。


ずっと前から、そうだった。


僕は、自分であまり何かに拘る、と言う事がない性格だったから
別に、音楽は好きだけど、だからミュージシャンになりたい、とか
燃えていたワケでもなかったし...。


だから、朋ちゃんがコーズの事であんなに思い詰めたり、泣いたり笑ったり
する事が今ひとつ、ピンとこなかった。



...どうして、あんなに。


感情がはっきりしているのかなぁ、と
不思議な生物を見るような思いも、あった。




それは、ひょっとすると
自分が情緒的に激しく変化したりする事が
恥ずかしい、と無意識に抑止しているのかもしれない。

うすうす、自分では気づいていた。


でも、だからといって


どうしよう、と言う意識もなかった。




ただ、朋ちゃんが喜んで、いつも笑顔で居てくれれば良いと思った。

それが愛と呼ばれたとしても、恋じゃあないだろうし....
愛だとしても、博愛、みたいなものだろう。


こんな風に自分では思っていた。
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