朋ちゃんと僕と、O中のみんな


もちろん、いやなハズはない。

ギターのチューニングをして、「旅の宿」なんかを歌ったりした。
これは、コードも簡単だから、朋ちゃんにも弾かせたりして。

「もう、飲みすぎちまって、君を抱く気にもなれないみたい」

なーんて歌詞を、女の子たちが平気で歌うのにもドキドキしたけれど(笑)
そこはそれ、当時の中学生のことだから
抱くってコトバにリアリティがなかったんだ。



点けっぱなしになってたTVから、カネボウの「ソフティ」と言うキャンディのCFが流れていた。

♪~いちーごいーちご、ソフティsofty..

なーんて、かわいらしい歌詞で、女の子が

「甘さ、抑えめ、抑え目..ぇ」

と、いいながら片目をひとさし指で押さえるんだけど(笑)


その、かわいらしい仕草がなかなかいいな、なーんて
朋ちゃんとハツミに話していた。

廊下の向こうから、野球部の優一や、シミンコ(彼は清水、って苗字なんだけど、
ミジンコにひっかけて、シミンコ、ってアダナだった。)が
こっちに入りたがっていたんで、呼んでやった。



でも、ECはさすがに女の子たちが嫌がったので、入れてあげなかった(笑)

昔も今も、このあたり、女の子の感覚はシビアだ。
ま,男ってインベーダーみたいなものだから、当り前かも。

でも、男にカテゴリーされる僕としては
やっぱ、仲間の女の子を守ってあげないといけないんだろうな、
ECの望みは、やっぱ朋ちゃんの意思に反してるんだろうな、
なーんて思ってて。


友達だから、友達の力になんなきゃ、って
そんな風に考えようと、していた。
< 43 / 84 >

この作品をシェア

pagetop