朋ちゃんと僕と、O中のみんな
その夜は、教師に叱られる事もなく
無事に僕らは部屋に戻り、消灯時間を迎えた。


でも、なかなか寝られないのはこのテの旅行の常で

フォークファンのタダノリ(と言っても、ただ乗りじゃなくて忠典、って名だ)。

は、隠れてラジオを持ってきていて
地元のAMラジオで掛かった風の「海風」を聞きながら歌ってたが
耳をふさぐようにラジオ聞いてるんで
調子が外れてて僕らはくすくす笑ってた。
けど、本人は知らずに歌ってて、まわりの奴に「うるさい」って言われても

「いま、いいとこなんだよ」って言って曲の終わりまで歌ってた。

海風、は、なんとなくロックっぽい曲にこの時は聞こえた。
僕はそれっきりいままで聞いた事が無いので、ホントにロックっぽいかどうかは
良く判らない。


(このタダノリはノリの良い奴で、アニキがシルバーのミニトレ50を持っていて
調子に乗ってそれでウィリーごっこをしてひっくり返ってテールランプを割ったり(笑)
というような奴。レーサー志望だった。)


タダノリのノリ具合に呆れて,僕は部屋から廊下へ出た。


もう、午前0時過ぎだと思う。あのラジオ番組は「ムッシュのライオンフォークビレッヂ」
だったかな...


そんな事を思いながら、3階のこの部屋からふと、窓の外を見るとお墓が見えた(笑)

修学旅行ってのは、こんな宿屋が多かったりする。




そん時、背後から呼ばれて僕はどっきりした(笑)。



背後、ECの奴が立っていた。

顔つきはどうも優れない。



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