朋ちゃんと僕と、O中のみんな
声を掛けて来た。

奴は,奴なりに自信を持って朋ちゃんに接してきたのだろう。
けれど,ぜんぜん相手にされないで自信を無くしてるみたいだった。


...そりゃ,陸上みたいにはいかないだろうけど(笑)。


こういうテアイは,努力すれば必ず勝てる、なーんて思ったりする。
下手に、なにかのジャンルで一番になったりすると、他でもその1番が
通用すると思う,単純な判りやすい奴だ。

ま、中学生だから当たり前だが。


で。

ECは、僕の学帽をずっと朋ちゃんが被っていた訳を聞いてきた。

「知らないよ、そんなの。本人に聞けよ」

と、僕が答えると、ECは半分怒ったみたいに

「協力してくれって言っただろう」

そう言う。


これもよくあるタイプだが、自分が言うと必ず承諾すると思うらしい。
ま、社長の息子だからこんなもんだろう、と
僕は相手にしなかった。するとECは


「お前は、ホントのところどうなんだ?」


そう、聞いてきた。


いや、ホントもなにも。



朋ちゃんが困ってるって言うから、と...

つい僕は本当のことをECに言ってしまう。

< 45 / 84 >

この作品をシェア

pagetop