朋ちゃんと僕と、O中のみんな


「でも.....面倒じゃないかしら。」

それだけ言って、朋ちゃんは遠くの空を見ていた。

2級国道の横断歩道の信号が、ピカピカ点滅していた。



僕はしばらく考えた。


なぜ、僕にこんな大事なことを打ち明けたのだろう?
普通、女のコ同士で話すもんだよな、こういうの。






.....ま、でも。

疑問に思ったが、でも、僕らのグループは特別だった。
男、女、なんていう差異はちいさなもので
そんなものを越えて、みんななかよくしてるだろう。
僕はそう思い、みんなの顔を思い出した。

タケ、シン、ユーコ...


だから。


横断歩道の信号は、いつのまにか赤に変わっていた。


国道を、2ストローク3気筒のオートバイが白煙を上げて吹っ飛んでいった。

あれは、カワサキのH2だな...。


僕は、過ぎ去って行くその白煙を見送って、何かを吹っ切ったような感じがした。




そして、朋ちゃんに言った。



「うん、僕がなんとかするよ。」






朋ちゃんは、僕をまっすぐに見て、ありがと、と言った。

それから、すこしづつ元気を取り戻してゆくように、音楽の話や
バイクの話し、なんかをしながら
田んぼ道を歩き、いつもの十字路で別れた。

朋ちゃんの家は小川のほとり、僕の家は駅のほうだったから。






もう、夜のとばりが下りようとしている......






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