Cry for the moon
「トモ、飯食った?」

リュウトは火を点けたタバコをくわえながらシャツのボタンを外す。

「まだ。腹減った。練習前にどっかで飯食おう。」

「ああ。」

着替えを終えベースを肩にかけたリュウトとトモキは、スタジオに行く前に近所のファミレスに寄った。

料理をオーダーして他愛ない話をしていると、トモキのスマホの着信音が鳴った。

「ん?誰だろ?」

トモキは画面に表示された知らない番号を見て、首を傾げながら電話に出る。

「もしもし…。ああ、うん…。うん…うん…。えっ…。」

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