Cry for the moon
「そろそろ帰るか。彼氏、待ってんだろ?」

「うん。」

リュウトがレジで会計を済ませて店の外に出ると、彼女は鞄の中から財布を出した。

「いくら?半分払うよ。」

「いや、オレは一応、社会人だしな。勤労学生に払わせんのもアレだし…今日はオレが誘ったから奢っとくわ。そんかわり、またうちの店に来いよな。」

「常連になるくらい?」

「おう。」

「じゃあ、お言葉に甘えて…ご馳走さま。」

「素直でよろしい。」

リュウトの言葉に、彼女はおかしそうに笑う。


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