Cry for the moon
笑って話す彼女の横顔を見て、リュウトは小さくため息をついた。

「なぁ…。無理して笑う事ないぞ。」

「え?」

リュウトの言葉に驚いた彼女が、リュウトの方を見た。

リュウトは正面を向いたまま、コーヒーを飲んでいる。

「無理なんか…してないよ。」

「そうか。笑いたい時は笑えばいいし、泣きたい時は泣け。言いたい事は言えばいいし、聞きたい事は聞けばいい。痛い時は、大丈夫って言わないで痛いって言え。そうしないと…自分で自分がわからなくなる。」

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