Cry for the moon
「そろそろ帰るか。」

「うん。」

公園を出たリュウトと彼女は、マンションまでの道のりを、二人で黙って歩いた。

彼女の住むマンションが近付いてきた頃、彼女はリュウトを見上げて、微かに笑みを浮かべた。

「宮原くん、ありがとう。」

「オレは礼を言われるような事は、なんもしてねぇぞ。」

「ふふ…。いつもそう言うよね。宮原くんといると、時々、子供の頃に帰ったみたいな気分になる。」

「なんだそれ。」

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