Cry for the moon
ほんの少し酔いが回った頭で、ぐるぐるととりとめもない事を考える。
(ただの雨宿りだ…。コーヒー飲んで、雨がマシになったら送ってくだけだ…。コイツには、彼氏がいるんだから…。)
優しい彼氏に愛され幸せそうに微笑む彼女は、どんなに想っても決して自分のものになる事はない。
手を伸ばせば触れられるほどすぐそばにいるのに、たとえ抱きしめたとしても、この手で彼女の幸せを壊し傷付けてしまうだけだろう。
彼女を想う事はもうやめようと決めたはずなのに、伝える事のできない想いが、錆びたナイフのようにリュウトの胸を深くえぐり、鈍く痛めつける。
(ただの雨宿りだ…。コーヒー飲んで、雨がマシになったら送ってくだけだ…。コイツには、彼氏がいるんだから…。)
優しい彼氏に愛され幸せそうに微笑む彼女は、どんなに想っても決して自分のものになる事はない。
手を伸ばせば触れられるほどすぐそばにいるのに、たとえ抱きしめたとしても、この手で彼女の幸せを壊し傷付けてしまうだけだろう。
彼女を想う事はもうやめようと決めたはずなのに、伝える事のできない想いが、錆びたナイフのようにリュウトの胸を深くえぐり、鈍く痛めつける。