Cry for the moon
きっと、愛し合った時に、彼氏が彼女の首筋に唇を這わせ強く吸って、自分だけのものだと印を残したのだろう。

脳裏に浮かんだその光景に、自分以外の男に彼女が抱かれているのだと言う現実を突き付けられたようで、胸の痛みを更にかきたてる。

(優しい男のふりなんてオレらしくねぇ…。気持ちを抑えて友達面して笑うなんて、柄でもねぇ事…もうやめてしまえ…!!オレは…欲しいものは力ずくでも手に入れる…!)

リュウトが狂いそうなほどの激しい嫉妬にさいなまれていると、彼女の鞄の中でスマホが鳴った。

「あっ、電話…。」

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