Cry for the moon
リュウトは落ち着かない気持ちを悟られないように、できるだけいつも通りの自分を装った。

「…今日は早いんだな。どうした?」

「予約してないけど…髪、切ってくれる?私に似合うめんどくさくない髪型にしてくれるって約束だったでしょ?」

「おぅ、いいぞ。」

店の中に入ると、気を利かせたのか、ルリカは既に家の中に入ったようだった。

丁寧にシャンプーをして、タオルで髪を拭き、カット台にアユミを座らせる。

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