Cry for the moon
11年後、東京。

ユウの結婚式の帰り、いつものバーに二人で立ち寄ったリュウトとトモキは、カウンター席に並んで座り、礼服のネクタイをゆるめてタバコに火をつけた。

「あれだけ飲んで、まだ飲み足りないのか?」

「まだまだだろ。」

「トモはいつからこんなにザルになったのかねぇ。」

リュウトは呆れ気味に笑っている。

「昔は全然酒も飲まなかったし、タバコも吸わなかったのにな。」

「そうだったな。オレも立派な大人になったんだよ。」

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