Cry for the moon
どうしようかと迷いながら、結局トモキは彼女の手を握る勇気がなくて、そのまま歩いた。

悶々としながら歩いていると、ちょっとお洒落な店構えのオムライス専門店を見つけて、トモキは彼女の方を見た。

「オムライス専門店だって。いろんなオムライスがあるんだ。オムライス、好き?」

「うん、好き。」

「じゃあ、ここにしようか。」

「うん。」

二人で店内に入ると、店員に壁際のテーブルに案内され、向かい合って席に着いた。


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