Cry for the moon
(お…落ち着かない…。)

彼女とはバイト先の仲間たちと一緒に食事に行ったりした事はあっても、二人きりで向かい合って座るのは初めてだ。

トモキはメニューに視線を落とし、すぐ目の前にいる彼女にドキドキ高鳴る胸を落ち着かせようと、彼女にはわからないように静かに深呼吸をした。

「いろいろあるな…。どれもうまそう。」

「いろいろありすぎて迷っちゃうね。三好くんは何にするの?」

「オレは…あっ、これうまそう。ハッシュドビーフ添えだって。これにしようかな。山代さんは?」

「うーん…。これにしようかな…。ツナとしめじのクリームソース。」
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