Cry for the moon
まだ2歳なのに口の達者なハルは、母親が厳しい分、何かとリュウトに甘えてくる。

しかし下手に甘やかすと後が怖いので、リュウトはコンビニに寄って牛乳だけを買い、ハルと手を繋いで帰路に就いた。


「ただいま。」

「おかえり。トモキ来てるよ。」

「ああ、うん。」


最後の客を送り出し、店の片付けを終えると、リュウトは庭の離れにある自分の部屋に向かった。

ドアを開けると、友人のトモキが、いつものように笑ってリュウトに声を掛けた。

「よぅ、お疲れさん。」

「おう。」

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