心の声。
夏休みと先輩
春、少し肌寒いこの中途半端な空気に
桜の甘い香りが漂う。
その中にいる僕もまた中途半端で。
僕には恋人がいる。
名前は西浦葵(にしうら あおい)
大学一年生。
実家は栃木。いまは大学に通うため、一人暮らしをしている。
この人と出会ったのは、僕が高校生になった春のこと。
初めてするバイト先で知り合った。
僕は居酒屋のキッチンで働き始めた。
面接をした時、皆に挨拶をした時
恥ずかしくて、怖くて下を向いていた。
最初は本当に馴染めなかった。
怒られてばかりで凹んだりもした。
でも、それでもたまに褒められる事があって
それがとても嬉しかったんだ。
学校にも少し慣れてきて、
バイトもなんとなくつかめてきた頃
季節は春から夏へと変わっていた。
朝、いつも通りおはようございます!と声をかけながら更衣室に向かっていると、
「よぉ」
後ろから声をかけられた。
『…え?』
もちろん動揺は隠せなかった。
正直まだ名前をはっきり覚えてない。
というかこの人のことはあったことあるっけ?って
思ってた。
とりあえず何も返さないわけにはいかないから
『おはようございます』
とだけ伝えておいた。
油を交換している途中だったらしい先輩は
満足そうに笑って遅刻するぞって私を更衣室へ促した
着替えてる途中も必死に思い出そうとしたけど
やっぱり思い出せなくて。
(あの人は、誰だろう…)
そんな疑問が残ったままで。
桜の甘い香りが漂う。
その中にいる僕もまた中途半端で。
僕には恋人がいる。
名前は西浦葵(にしうら あおい)
大学一年生。
実家は栃木。いまは大学に通うため、一人暮らしをしている。
この人と出会ったのは、僕が高校生になった春のこと。
初めてするバイト先で知り合った。
僕は居酒屋のキッチンで働き始めた。
面接をした時、皆に挨拶をした時
恥ずかしくて、怖くて下を向いていた。
最初は本当に馴染めなかった。
怒られてばかりで凹んだりもした。
でも、それでもたまに褒められる事があって
それがとても嬉しかったんだ。
学校にも少し慣れてきて、
バイトもなんとなくつかめてきた頃
季節は春から夏へと変わっていた。
朝、いつも通りおはようございます!と声をかけながら更衣室に向かっていると、
「よぉ」
後ろから声をかけられた。
『…え?』
もちろん動揺は隠せなかった。
正直まだ名前をはっきり覚えてない。
というかこの人のことはあったことあるっけ?って
思ってた。
とりあえず何も返さないわけにはいかないから
『おはようございます』
とだけ伝えておいた。
油を交換している途中だったらしい先輩は
満足そうに笑って遅刻するぞって私を更衣室へ促した
着替えてる途中も必死に思い出そうとしたけど
やっぱり思い出せなくて。
(あの人は、誰だろう…)
そんな疑問が残ったままで。