【短編】屋上とスイーツ
屋上とスイーツ
「はあ…だるいなぁ、」
常に開放されている高校の屋上で、心とは裏腹に晴れ渡った青空を見上げる。
ちなみに、今授業中ですけどね。
藤沢理緒
高校二年生。特に目立った事もなければ、問題を起こす事もない。あえて言えば、人より少しだけ容姿が整っていることだろうか。
理緒は足を投げだして、近くの壁に寄りかかる。
昼寝でもしようか、それとも作ってきたお菓子でも食べようか、と考えていたその時…
ガチャ
どうやら、屋上に人が入ってきたようだ。
理緒は慌ててバッグを引っ付かんで物影に隠れた。
入ってきた人物はどうやらこの学校の生徒のようだった。しかし、かなり着崩した制服に明るい茶髪、手首についたアクセサリー。生徒にしては奇抜な格好だ。
「(え、あれって…もしかして問題児って噂の都筑先輩!?)」
都筑翼
高校三年生。学校一の問題児で、喧嘩ばかり。容姿は整っているが最強の男として恐れられている。学校に登校するのは大変珍しい。
「(何で都筑先輩が屋上に…!?出ていくにも出ていけないし…)」
翼は持っていた薄い鞄を放り投げて、フェンスに寄りかかる。
カタッ
理緒の制服のポケットからメガネがずり落ちた。
「(しまった…!)」
「…誰かいんのか?出てこい」
低い、だがどこか澄んだ声が発せられた。
「…す、すいません…」
「何だ、女か。喧嘩売ってくる野郎なら一発蹴りでもいれてやろうかと思ってたんだがな」
そう言った翼はつまらなさそうに背伸びをしたが、そんな翼とは正反対に理緒は背筋を凍らせた。
「心配すんな、女に手は出さねえよ…だがな、此処は俺のテリトリーだ。出ていってもらおうか」
「はあ!?アンタねえ、不良だか先輩だか知らないけど今日は私が先客よ。私だって今更授業に戻らないわ!……あ」
自分勝手な翼の発言に理緒は思わず反論をしたが、自分の発言に青ざめていく。
翼は最初唖然としていたが、その後喉をクツクツと鳴らして面白そうに笑った。
常に開放されている高校の屋上で、心とは裏腹に晴れ渡った青空を見上げる。
ちなみに、今授業中ですけどね。
藤沢理緒
高校二年生。特に目立った事もなければ、問題を起こす事もない。あえて言えば、人より少しだけ容姿が整っていることだろうか。
理緒は足を投げだして、近くの壁に寄りかかる。
昼寝でもしようか、それとも作ってきたお菓子でも食べようか、と考えていたその時…
ガチャ
どうやら、屋上に人が入ってきたようだ。
理緒は慌ててバッグを引っ付かんで物影に隠れた。
入ってきた人物はどうやらこの学校の生徒のようだった。しかし、かなり着崩した制服に明るい茶髪、手首についたアクセサリー。生徒にしては奇抜な格好だ。
「(え、あれって…もしかして問題児って噂の都筑先輩!?)」
都筑翼
高校三年生。学校一の問題児で、喧嘩ばかり。容姿は整っているが最強の男として恐れられている。学校に登校するのは大変珍しい。
「(何で都筑先輩が屋上に…!?出ていくにも出ていけないし…)」
翼は持っていた薄い鞄を放り投げて、フェンスに寄りかかる。
カタッ
理緒の制服のポケットからメガネがずり落ちた。
「(しまった…!)」
「…誰かいんのか?出てこい」
低い、だがどこか澄んだ声が発せられた。
「…す、すいません…」
「何だ、女か。喧嘩売ってくる野郎なら一発蹴りでもいれてやろうかと思ってたんだがな」
そう言った翼はつまらなさそうに背伸びをしたが、そんな翼とは正反対に理緒は背筋を凍らせた。
「心配すんな、女に手は出さねえよ…だがな、此処は俺のテリトリーだ。出ていってもらおうか」
「はあ!?アンタねえ、不良だか先輩だか知らないけど今日は私が先客よ。私だって今更授業に戻らないわ!……あ」
自分勝手な翼の発言に理緒は思わず反論をしたが、自分の発言に青ざめていく。
翼は最初唖然としていたが、その後喉をクツクツと鳴らして面白そうに笑った。