【短編】屋上とスイーツ
「ま、いいだろ?







此処は
俺達2人だけの場所って事でさ」

耳元で囁かれた声に理緒は体温が上がった気がした。


「(…先輩、天然キザ男…?)」



天然キザ男疑惑深まった昼下がりであった…















………………………………


「あれ、先輩…?」


翌日、翼は屋上には来ていなかった。どうやら学校には来ていないみたいだ。



あの日から、翼は学校に来るようになっていた。これもひとえに理緒が理由なのかもしれないが…









それから2日間、いくら待っても翼が学校に現れる事はなかった。





「翼、先輩…」

なんだろう、この気持ち…凄く、会いたいよ























その日の帰り道〜


「…理緒ちゃん、だよね?」
「え…?あの、どちら様ですか…?」

「俺、翼の親友なんだ。翼がすっげえ理緒ちゃんに会いたがってるからさ。ついてきてほしいんだ」

「翼先輩が…?でも」

「ね、早く行こう」


理緒は強引に夕方の繁華街に連れ込まれた。











しばらく歩くと、色とりどりのネオンライトが輝く街に出た。すっかり日は暮れて、太陽は沈みきろうとしている。



「あ、此処だよ」


危険な雰囲気の店が建ち並ぶ街に翼先輩はいた。

…女の人を連れて。
……よく見ると、キス…してるようにも見える


「翼…先輩…」



「あ、ごめん…俺が連れてきたばっかりに」


「……いえ…、私、彼女でもなんでもないですから」

何でこんなに落ち込んでるんだろう、私。先輩とは何にもないのに。


「…あっちは楽しんでるんだし、こっちも楽しもうよ」

そう言うと、男は突然理緒を押し倒した。

「きゃあっ!!」





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