消えてくれない
プロローグ
「ずっとアキのことが好きだった。だから振ってくんない?」
アパートの非常階段で私小林菫は4年間片思いをしていた加藤秋に振られようとしている。
「え?え、ちょっと待て。どーゆうこと?」
「だから、私のこと振って?」
「どーしたんだよいきなり」
「もうそろそろ前に進まなきゃって思って...」
「そっか...。いつから?」
「え?」
「いつから俺のこと好きなわけ?」
『ッッ‼︎‼︎』
「そ、そんなこと言う訳ないじゃーん笑結構恥ずかしいんだから聞かないでよー笑」
『言えない。絶対言えない。あの時からずっと好きだったっていったらアキが罪悪感を持ってしまうかもしれない』
「なんだよそれー...」
「...。」
「...。」
「だから早く振ってってば」
「そんなこと言われたっていきなりだし...。うーん。今俺知ってると思うけど彼女いるし...」
「うん。知ってる。」
「だからスミレの気持ちには応えられない。」
「うん。ありがとう^ ^あのさ、私に告白されて嬉しかった?笑」
「うん。嬉しかった。すげぇ嬉しかった。」
「ありがとね。じゃあ仕事頑張ってね。」
「おう。スミレも頑張れよ。なんかあったらまたいつでも電話してきていいから。」
「ありがとう。じゃあまたね。」
「またな。」
電話を切って、タバコに火をつけた。
長かった私の恋が終わった。
アキとは高1の時にクラスが一緒になってからずっと友達だった。
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