消えてくれない

「もしもし？」

「もしもし！
なんかあったのか？」

「ううん笑
なにもないよ？
なんでそんなに焦ってんの？笑」

「だってスミレから連絡があるとか珍しいからさ...」

「そうだっけ？笑」

「そうだよ。」

「...。

あのね、アキに話したいことがあって...」

「うん。」

ドキドキしすぎて声が震える。

好きな人に想いを伝えるってこんなに緊張するんだ...


バレないように小さく深呼吸をする。


「あのね、私...

わ たし...ね？
ずっとアキのことが好きだった。

だから振ってくんない？」

アパートの非常階段で私小林菫は4年間片思いをしていた加藤秋に振られようとしている。

「え？え、ちょっと待て。どーゆうこと？」

「だから、私のこと振って？」

「どーしたんだよいきなり」

「もうそろそろ前に進まなきゃって思って...」

「そっか...。いつから？」

「え？」

「いつから俺のこと好きなわけ？」

『ッッ‼︎‼︎』

「そ、そんなこと言う訳ないじゃーん笑結構恥ずかしいんだから聞かないでよー笑」

『言えない。絶対言えない。あの時からずっと好きだったっていったらアキが罪悪感を持ってしまうかもしれない』

「なんだよそれー...」

「...。」

「...。」

「だから早く振ってってば」

「そんなこと言われたっていきなりだし...。うーん。今俺知ってると思うけど彼女いるし...」

「うん。知ってる。」

「だからスミレの気持ちには応えられない。」

「うん。ありがとう^ ^あのさ、私に告白されて嬉しかった？笑」

「うん。嬉しかった。すげぇ嬉しかった。」

「ありがとね。じゃあ仕事頑張ってね。」

「おう。スミレも頑張れよ。なんかあったらまたいつでも電話してきていいから。」

「ありがとう。じゃあまたね。」

「またな。」

電話を切って、タバコに火をつけた。





長かった私の恋が終わった。

『分かってたけど
分かってたけどさ、やっぱり辛いね...』

でも、ずっと伝えられなかった想いを伝える事が出来て、少しスッキリした。












辛かった。

辛くて辛くて、本気で消えて無くなってしまいたいって何度も思った。

何回アキのことで泣いたことか...

友達以上になりたいのに、友達以下になるのが怖くて告白出来なかった。

そのせいで、何度も何度も何度も後悔した。

何度も心が壊れかけた。

本当に辛かったけど、


幸せだった。


考えるだけで思い出すだけで、

涙を流したり笑顔になったり胸が締め付けられたり、うずいたり。

こんなに心が暖かくなるのは初めてだった。

恋をすることで、今まで知らなかった自分に出会えた。

まだこの想いは消えてくれそうにないけど、少しずつ前に進もうと思ってるよ

素敵な気持ちを教えてくれてありがとう