夏いっっっ!!!

「夏希~どこいったんだー」

どうしてこの人はこんなに必死になれるのだろう。
血のつながりのない、ただ愛した人の子というだけで…。
愛した人はもういないのに…。

逃げられても子供を捜そうとするのはなぜだろう?
ボーっとした頭のまま剛は後ろから桐山を見つめる。

「夏希!!」
夏希ちゃんは海を眺めていた。

「桐山さん、どうして夏希にはパパもママもいないの?
 二人共どこへ行っちゃったの?
 夏希は捨てられちゃったの?
 どうして?夏希が悪い子だから二人はいないの?」

泣きながら桐山に訴える夏希。

「ごめん、夏希。
 俺が頼りないから淋しい思いさせちゃって…」

二人は泣きながら抱きしめあう。

「夏希ちゃん」

剛は二人の横に立つ。

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