夏いっっっ!!!
ハッと目覚めた剛は里沙ちゃんの太ももを枕にしていた。
「え?俺は寝ていた?」
にっこりうなずく里沙ちゃん。
「ごめんね、せっかくの花火だったのに。
 疲れてて寝ちゃったよ」
「もう大丈夫?
 頑張ってるんだね、バイト」
心配してくれる里沙ちゃん。
なんだかいい雰囲気。
剛はいつまでも寝ていてはいけないと起き上がった。
理沙ちゃんも剛の隣に立った。
人だかりから遠く離れたところで花火の終わってしまった夜の星空を見つめる。
里沙ちゃんの手を握ったりしてみた。
そんなに嫌がらないのでそのまま握ってしまった。
それを感じた剛は言葉を捜した。
今、想う気持ちを直接に伝えなければ…。
「渡部さん…」
今まさに言ってしまおうと決意した剛。
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