ふわふわりと風船

 吐息も、冷たい指先も、僕の肩にのった重みも、熱も、何もかも幻。

 僕の願望。

 彼女の何も僕は縛れない。

 市松がいう。

 「こんなの狂ってる」

 「うるさい」

 何が、悪いのか、僕が悪いのか、彼女が悪いのか、何がおかしいのか、僕にはわからない。

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