ふわふわりと風船

 「僕は孤独だ」

 市松は泣いていた。

 「僕はダメなんだ」

 楓は泣かない。

 「僕は無価値で」

 市松の懇願も、僕の言葉も何一つ楓には響かないのだろう。

 「僕は壊れたんだよ、かえで」

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