ふわふわりと風船

 顔をあげれば道があって、上を見れば空があって、息を吸うと空気があって、本当は単純なこと。

 冷静になればわかるのに。

 気持ちが墜ちていると、それを感じられなくなる。

 理由のない息苦しさと、不安。

 孤独に怯え自分を憎み、全てを忌み、疑問ばかりが脳を埋めて立ち止まり、耳を塞ぐ。

 目が、光を失ったように輝きをなくし、色を奪う。

その瞬間僕は、世界を憎む。


 
< 5 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop