MAHOU屋
外へ出ると店の前で幼稚園バスが止まるところだった。
チヒロは慌てて駆けつけたが、レインさまはゆったり歩いて後を追ってきた。
「ただいま帰りましたー!」
ピンク色のエプロンには大きなくまが踊っている。
そのくまから視線を上げると、幼稚園の先生は後ろを振り返っていて、妹の名前を呼んでいた。
バスの階段から下りてきたソラは、いつのまにかチヒロの隣にいたレインさまを見て、小雨のように泣き始めた。
それを先生が抱きとめて、レインさまに引き渡す。
「お母さんを見て安心したんでしょうね」
レインさまは少し困った顔をして、先生に頭を下げる。
それが合図のようにドアが閉まってバスが発車した。
チヒロたちが今自分の家から学校や幼稚園に通えるのは、すべて、レインさまのお陰だ。
かあさまはソラが産まれたときに亡くなり、とうさまは三年前に亡くなった。
チヒロはとうさまのことはなんとなく覚えているけれど、ソラは二人の記憶がまったくない。
チヒロは慌てて駆けつけたが、レインさまはゆったり歩いて後を追ってきた。
「ただいま帰りましたー!」
ピンク色のエプロンには大きなくまが踊っている。
そのくまから視線を上げると、幼稚園の先生は後ろを振り返っていて、妹の名前を呼んでいた。
バスの階段から下りてきたソラは、いつのまにかチヒロの隣にいたレインさまを見て、小雨のように泣き始めた。
それを先生が抱きとめて、レインさまに引き渡す。
「お母さんを見て安心したんでしょうね」
レインさまは少し困った顔をして、先生に頭を下げる。
それが合図のようにドアが閉まってバスが発車した。
チヒロたちが今自分の家から学校や幼稚園に通えるのは、すべて、レインさまのお陰だ。
かあさまはソラが産まれたときに亡くなり、とうさまは三年前に亡くなった。
チヒロはとうさまのことはなんとなく覚えているけれど、ソラは二人の記憶がまったくない。