MAHOU屋
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水がたゆたっている。
その水は海のように終わりが見ないのだけれど波は立っていなくて、透明で、頬に触れるような微かな風が吹くときだけ水面に波紋ができる。
その水の中にチヒロが眠っていて、それを外から自分が見ている。
しかしときどき水の中の視点と入れ替わって、水の中から空を見ていたりもする。
その水は体温と同じ温度で身体が解けるように心地よく、涙が滲んでくる。
その涙が水と一体となって、水位をあげていく。
この水は、ぼくの、涙だ。
それにようやく気付いたところで、目が覚めた。
水を失った体温は急激に冷えてきて、手が悴む。
下からぱっぽと鳩時計のはとが三回啼いて、今が三時だとわかる。
夜中に目が覚めると、急に不安になる。
布団から出て、枕と反対の位置にいるソラに布団をかけなおしてやり、物音を立てないようにレインさまの傍へ行く。
常夜灯のほのかなオレンジ色の光はレインさまを生気のない顔にさせてしまっている。
おそるおそるレインさまの顔に手をかざして、呼吸を確かめる。
微かな息が手に当たって、その暖かさに夢で見た温度を思い出す。
この人を失ったら、自分やソラは、生きていけるのだろうか。
だって人は簡単に、いなくなってしまうでしょう?
水がたゆたっている。
その水は海のように終わりが見ないのだけれど波は立っていなくて、透明で、頬に触れるような微かな風が吹くときだけ水面に波紋ができる。
その水の中にチヒロが眠っていて、それを外から自分が見ている。
しかしときどき水の中の視点と入れ替わって、水の中から空を見ていたりもする。
その水は体温と同じ温度で身体が解けるように心地よく、涙が滲んでくる。
その涙が水と一体となって、水位をあげていく。
この水は、ぼくの、涙だ。
それにようやく気付いたところで、目が覚めた。
水を失った体温は急激に冷えてきて、手が悴む。
下からぱっぽと鳩時計のはとが三回啼いて、今が三時だとわかる。
夜中に目が覚めると、急に不安になる。
布団から出て、枕と反対の位置にいるソラに布団をかけなおしてやり、物音を立てないようにレインさまの傍へ行く。
常夜灯のほのかなオレンジ色の光はレインさまを生気のない顔にさせてしまっている。
おそるおそるレインさまの顔に手をかざして、呼吸を確かめる。
微かな息が手に当たって、その暖かさに夢で見た温度を思い出す。
この人を失ったら、自分やソラは、生きていけるのだろうか。
だって人は簡単に、いなくなってしまうでしょう?