MAHOU屋
「俺、郵便屋さんだからな」
「知ってるよ。それが岩城さんと、どういう関係があるわけ?」
「それがあるんだよ」
「はぁ? 意味わかんないよ」
「この間の宛先のない手紙、ちゃんとアイツに届けたろ」
アイツというのはレインさまのことに違いない。
「実は中身の方に、名前が書いてあったとか?」
そう訊くと「違う」と言う。
新緑色の封筒と同じように、手紙には送り主の名前すら書いていなかったらしい。
それを届けられる俺は偉いとデビルは威張っている。
「じゃあ、どうしてわかったの?」
「さっきから言ってるだろ、俺が郵便配達員だからじゃないぞ、郵便屋さんだからだ」
デビルが懐からマジックのように取り出したのは茶封筒だ。
その封筒には宛名も差出人の名前も書かれていない。
「お前も出してたなんて、知らなかったよ。時間がかかっちまって、悪かったな」
頬がかっと熱くなる。
自分もソラの真似をしてポストに手紙を書いていたことが、デビルに知れて恥ずかしい。
「よく、わかったね」
「何度も言うけど、郵便屋さんだからだ、俺が」
チヒロの出した手紙は、レインさまに届く無記名の手紙と同じように、何も書かなかった。
内容も自分が出したとわからないようにして書いたつもりだったのに。
「知ってるよ。それが岩城さんと、どういう関係があるわけ?」
「それがあるんだよ」
「はぁ? 意味わかんないよ」
「この間の宛先のない手紙、ちゃんとアイツに届けたろ」
アイツというのはレインさまのことに違いない。
「実は中身の方に、名前が書いてあったとか?」
そう訊くと「違う」と言う。
新緑色の封筒と同じように、手紙には送り主の名前すら書いていなかったらしい。
それを届けられる俺は偉いとデビルは威張っている。
「じゃあ、どうしてわかったの?」
「さっきから言ってるだろ、俺が郵便配達員だからじゃないぞ、郵便屋さんだからだ」
デビルが懐からマジックのように取り出したのは茶封筒だ。
その封筒には宛名も差出人の名前も書かれていない。
「お前も出してたなんて、知らなかったよ。時間がかかっちまって、悪かったな」
頬がかっと熱くなる。
自分もソラの真似をしてポストに手紙を書いていたことが、デビルに知れて恥ずかしい。
「よく、わかったね」
「何度も言うけど、郵便屋さんだからだ、俺が」
チヒロの出した手紙は、レインさまに届く無記名の手紙と同じように、何も書かなかった。
内容も自分が出したとわからないようにして書いたつもりだったのに。