淡い恋心 -記憶-
会話
「あんたいますきなひといるの?」
「いないよ?」
「へえ」
「……」
「……」
「なあ、うち、すきなひといないねんで。すごいやろ」
「この!」
「いや、ちゃうねん。すきなひといないゆったでしょ!」
「へー……じゃあ、なまえおしえてよー。ね??」
「名札みればわかるやろー」
「わからんー」
「……ゆき」
「なに?」
「……ゆきんこやから、ゆきでええよな」
「冬すきっていってたからか?」
「ちがう。すきなおとこをもとめるのが、いつもゆきのふる日だから、やで」
「きもちわる」
「おまえもな」
「……なあ」
「はい」
「おまえのめがね」
「へい」
「あとで 貸してくれる?」
「いいよ?なんで?」
「ないしょ」
「じゃあ、明日のこのじかんにまたあおうぜ」
「バイバイ」