デスサイズ
「っ!?」
だが、デスサイズを手に持った瞬間に伸也の腕が強い重力によって下に引っ張られる。
「がっ…………な、んだコレ…………!」
尋常(じんじょう)ではない重さのデスサイズは床についたままピクリとも動かない。
必死に持ち上げて構えようとしてもデスサイズは動かず、代わりに汗と傷口から血がドクドクと流れるだけだ。
そんな伸也の頭を黒斗は鷲掴みにし、そのまま持ち上げた。
「グ、ギィ……!」
「ソレは死神だけの……いや、俺だけのデスサイズだ。持ち主以外は使いこなせない」
鋭い目付きで伸也を見上げた後、彼をベッドに向かって放り投げた。
デスサイズを持ったまま宙に投げ出され、そしてベッドに落下した。
ミシッ
ザク
「ぎぃああああああっ!!」
ベッドが軋(きし)む音とマットが破れる音が伸也の悲鳴と重なった。
彼が投げ出されたのは細い針金のようなボンネルタイプのスプリングベッド。
勢いよくベッドに身体が落ちたこととデスサイズの重みも合間って、スプリングの先端が飛び出し伸也の身体に刺さったのだ。