デスサイズ

「……あんな幼稚な奴と一緒にするな」

「素直やあらへんなあ」

鈴がそう言って笑うが、照れ隠しではなく本心である。


「ケイちゃんが居なくなったんは寂しいけど、しゃあないかもな……ケイちゃんは右足を無くして、伸也さんは殺された……こんな町、離れたくもなるわな」

「……そうだな」


実際は伸也だけでなく、両親も殺されており恵太郎は大神に連れ去られているのだが鈴は知る由もない。



「まあ、またいつか会えるわな! 手紙とか連絡くるとええなあ」


のんきに言う鈴だが、恵太郎から連絡などある訳が無いだろう。

何も知らない彼女の言葉を、黒斗は黙って聞き流すのだった。

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