デスサイズ

「ひ、ぎあああ゛あ゛ぁ゛っ!!」


 激痛に悲鳴をあげる江角。

 反射的に胸に刺された刃に手をかけて引き抜こうとするが、逆に肉へと食い込んでいく。


 鎌が食い込み皮膚や肉を抉る度に、傷口から溢れる血液も増えていく。



「あ……がっ…………」

 ふと江角は、鎌が刺さっている箇所を見やる。





 己の身体から溢れてくる大量の血。


 己の身体を真っ赤に染めていく血。


 床に滴り落ち、広がっていく血だまり。





「き……れい………もっと……もっ、と……見たい………!」


 狂気の笑顔を浮かべると、江角は胸に刺さっているデスサイズの刃部分を掴み、自ら胸に食い込ませた。



「アハハ……いい……ゲボッ、……いいわ……」

 生々しい音と共に溢れ落ちる赤黒い血を見て、感嘆(かんたん)の声を上げる。

「……愚かな女だ」

 黒斗は冷淡にそう呟くと、グッと鎌を食い込ませる。



 確かな手応えを感じて、ニヤリと笑うと一気にデスサイズを引き抜き、江角の傷口から破裂した水道管のように血が噴き出した。

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